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【第13回】「最後の転職」の罠【その2】

こんにちは、堀内です。

5月25日現在、日大アメフト部の事件が日本中を騒がせています。
発覚後の対応のマズさや責任者の保身、嘘つき対応も含めて、
粉飾決算で解体寸前までいった東芝といった大企業や
日本レスリング協会といった組織の不正と同じ構図に思えます。

悲しいことではありますが、
これが現在の日本の縮図なのかもしれません。

さて「今回を最後の転職にしたい」と考えることの
リスクについて。

今回を最後の転職にするぞ、と強い決意の上で
転職活動を行い、無事転職先が決まる。

新しい環境にも慣れ、仕事に邁進する。
高い成果を挙げ、会社でも評価され、スキルや実績も積み上がり
会社にはなくてもならない人材になる。

となれば、素晴らしいサクセスストーリーでしょう。

一方、転職したはいいが、
このまま大過なく会社に居続けられたらいいや、という気持ちで
自分自身のキャリアやスキル/専門性を意識しないまま
仕事をしているうち、あっという間に時間が過ぎていく。

「どうせ、もう転職するつもりも無いし」
「まぁ、余程のヘマをしない限り、このまま会社に居られるし」
「上司の言う事、会社の方針に従って、
 とりあえず仕事をしておけば問題ないでしょう」
「仕事は大して面白くもないけど、このままあと30年過ごせればいいや」

こういう考えに長い間浸っていれば、
新しいインプットをしよう、新しいことにチャレンジしなくては、
なんてことは思いません。

ましてや、もう転職することは考えていませんから、
「他の会社でも通用するレベルで専門性/スキルを高めておかないと、
何かあった時に困る!」なんて考えはまず浮かびません。

転職した会社の業績は決して好調ではありませんが、
すぐにどうこうというレベルでもありません。
但し今後の成長は望むべくもなく、良くて横這いといった感じです。

気付けば、会社や職場にもすっかり慣れ、居心地も良く
今の所大した問題もありません。

しかし転職前と比べても、
専門性やスキル面では大した成長はしておらず、
実績も残していないまま、気付けば、、、、あなたは40歳。

特に昇進することもなく、役職も主任とはついていますが、
実質的にはヒラ社員で部下がいるどころか、
後輩の育成経験も殆どありません。

定年まで、まだ25年もあるのかー。
先は長いけど、まぁ仕方がないか。

そんなある日、日経新聞にあなたの会社の記事が載ります。
「品質検査で長年の不正発覚!納入先からの損害賠償問題に発展か?」

そして半年後、勤務している会社は主事業部門を
海外メーカーに売却することになり、
残った部門でも半数の社員が早期退職勧告を受けます。

崩壊寸前の会社に財務的な余裕はありませんから、
以前はよく見かけた年収〇年分の割り増し退職金なんてものは
一切ありません。

そういえば、転職してきた当時、
優秀だなあと思っていた同年代の社員は
いつの間にか転職していなくなっていました。

ここからのストーリーはあなた自身で想像してください。

これは大袈裟であり得ない話でしょうか?
大企業にいれば起こりえない話でしょうか?

「私や私の会社に限って、こんな事が起こる訳が無い」と思った方。

是非、次回の【その3】をお読み頂ければと思います。

このコラムを読んで頂いた皆様に、良いご縁がありますように。

人材アシスト 株式会社
代表取締役 堀内 健輔